MSUH-3Fは、テキストベースの簡単なシリアル通信だけでUSBメモリーやmicroSDカードにFAT16・FAT32に準拠したファイルを新規作成したり、既存のファイルからデータを読み出すことのできるアクセスボードです。
米GHI社のALFAT SoCチップを採用し、非同期式シリアル通信(UART)又は同期式シリアル通信(I2C)通信にてUSBメモリーとmicroSDカードにアクセスできます。
本体にはUSBメモリー用ホストポートが1つと、microSDカードスロットが1つ搭載されています。もちろん同時に使用するこが可能です。
コマンドはASCIIテキストベースなのでワンチップマイコンやArduino等から簡単に制御が可能です。USBメモリーやmicroSDカードにアクセスして、FATファイルシステム準拠のファイル操作が行えます。(※1)
ファイルの種類は問いませんので、テキストデータからバイナリデータまで様々なデータ形式に対応します。
※1:USBメモリー・microSDカードは市販の128GBまでのものが使用できます。FAT16又はFAT32でフォーマットしてご使用ください。メーカーや製品によっては相性問題が発生する場合があります。
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シリアル通信のインターフェイスは、非同期式シリアル通信(UART)と、同期式シリアル通信(I2C)のどちらかをモードピンの設定によって設定することができます。
UARTではTXとRXの2線式通信の他、高速時はより信頼性の高い通信を行うフロー通信を行うことが可能です。通信速度は921.6kbpsまでです。デフォルトの通信速度は115.2kbpsとなっており、ピンの設定により9.6kbpsに固定することもできます。
同期式シリアルI2Cで通信を行いたい場合には、本機はスレーブデバイスとして使用し、マイコン等のマスター機器からコントロールします。スピードモードは400kHzまで対応しています。
※スレーブアドレスは固定されています。
パソコンと接続する場合にはUSB-UART変換のアダプタが便利です。
当方ではUSB-UART変換ボード(型式60R800)を販売しております。
パソコンと接続すれば本機の機能を一通り使える便利なユーティリティソフトが使えます。戻り値を確認しながらMSUH-3Fの評価などが行えます。また16進→10進変換機能や戻り値の解析機能などもありますので、本機の評価に是非お役立て下さい。
専用ユーティリティソフトをご用意!
※2:通信速度は本機には記憶できずリセット後や電源再起動後は常に115.2kbps又は9.6kbpsとなります。
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MSUH-3FはFAT32のロングファイルネームに対応しています。従来のような8.3ファイルネームではありませんので長いファイル名の取り扱いも心配ありません。
複雑なディレクトリ構造にも対応。
新しいフォルダを作成してそこに新規ファイルを作成したり、ルートから深い階層にあるファイルへもアクセスできます。
ファイルの種類・拡張子は問いません。テキストファイルはもちろんJPEGファイルやMP3ファイルなどにもアクセスしてバイナリーデータを読み出すことができます。
ファイルは最大16個まで同時に本体内のファイルハンドルと呼ばれるバッファに展開することが可能です。USBカード、microSDカードどちらのファイルも同時に展開できますので、メディア間でファイルをコピーしたりすることもできます。
ファイルの属性を取得したり本体に搭載のリアルタイムクロック(RTC)機能を使えば、ファイルの作成日時のタイムスタンプをファイルに付与することができます。コイン電池(CR2032)などによる時計バックアップも追加できます。
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■ 操作できる機能一覧
ファイルを開く |
最大16個のファイルを同時に開くことが可能。
microSDカードとUSBメモリーのファイル混在可能。 |
ファイル内のデータを読む |
ファイル内のデータについて、任意の位置から任意のサイズでデータを読み込み可能。 |
既存のファイルにデータを書く |
メモリーメディア内にある既存ファイルに対してデータを追記。 |
新しいファイルを作る |
新しいファイルを新規に作成。任意のディレクトリにファイルを作成。 |
ファイル、フォルダを削除する |
ファイルやフォルダを削除。 |
クイックフォーマット |
メモリーメディアをクイックフォーマット。 |
ファイルの属性やサイズ、ファイルスタンプを取得 |
指定したファイルの属性やファイルサイズ、ファイルのタイムスタンプを取得可能。 |
ディレクトリ内のリスト取得 |
指定したディレクトリ内にあるすべてのフォルダ、ファイルのリストを取得。 |
空き容量の取得 |
メモリーメディアの空き容量を取得。 |
ファイルやフォルダーのリネーム |
ファイル又はフォルダの名前を任意の文字列にリネーム。 |
ファイルのコピー |
指定したコピー元ファイルを、指定したサイズコピー。 |
メモリーデバイスの転送速度を計測 |
メモリーデバイスに指定したサイズのデータを書き込み、時間を計測し転送速度を実測。 |
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●FAT16及びFA32のファイルシステムに対応 |
●ロングファイルネームに正式対応 |
●非同期式シリアル(UART)及び同期式シリアルI2C通信に対応 |
●microSDカードは最大128GBまで対応、Class4〜Class10のカードに対応 |
●USBメモリーは128GBまでのUSB1.1/2.0/3.0規格すべてに対応 |
●USBメモリーとmicroSDカードを同時使用可能。混在してファイルを展開可能。 |
●同時に16個のファイルを内蔵バッファに開くことが可能 |
●装着したメモリーデバイスの転送速度を計測する簡易メディアテスト機能 |
●2つの省電力モードを搭載、作業状態を保持したまま低消費電力モードに移行することも可能(アイドル時に0.13mA〜1.5mA程度まで消費電力を低下可能) |
●クイックフォーマット機能搭載 |
●RTC機能搭載で、ファイル作成時のタイムスタンプをファイルに記録 |
●本体に時計バックアップ時に動作する32.768kHzのRTC用水晶発振子を搭載 |
●本体電源電圧5.0V (内部で3.3V生成) |
●日本語マニュアル付属だから分かりやすい |
●機能をパソコンから簡単に評価できる使いやすいユーティリティソフトをご用意 |
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■ コマンド操作の一例
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■ 主な仕様
電源電圧 |
+5.0V (本体電源とUSBメモリー用電源)
RTCの時計バックアップ使用時には別途1.65V〜3.3Vのバックアップ電源が必要(CR2032を推奨) |
消費電流 |
動作時平均:約60mA程度
スタンバイモード時:0.13mA程度
ストップモード時:1.45mA程度
※いずれもメモリーメディア装着状態 |
対応メモリーメディア |
microSDカード:最大128GB、Class4〜10
USBメモリー:USB1.1以上、最大128GB |
対応ファイルシステム |
FAT16、FAT32
※exFAT及びNTFSには対応していません。64GB以上のデバイスのフォーマット方法についてはこちら。 |
インターフェース |
非同期式シリアル(UART): デフォルト通信速度115.2kbps
同期式シリアル(I2C): 100k〜400kHz対応
※UARTデフォルト通信速度は9.6kbpsに固定も可 |
ボード寸法 |
縦40.6×横42.5mm
※メモリーメディアを含まず |
※市販されているすべてのUSBメモリー、SDカードが使えることを保証するものではありません。相性問題によりお使い頂けない機種がある可能性もあります。また当方では相性保証は致しておりません。
■ 本体外形図
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■ セット内容
●MSUH-3F本体
●日本語マニュアル(ダウンロード)
※RTC用の32.768kHz発振子は実装済みです。
※マニュアルはPDF配布となり紙媒体でのご提供はありません。
※マニュアルはこちらからご覧頂けます。
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■ 本製品のサポートについて
本製品の日本国内での技術的なサポートやご質問等の受付は行っておりません。
当方からリリースしているマニュアルやメーカー提供の各種データシートやユーザーズガイド(参考資料にて公開)をお読み頂き、またネットから情報を収集して開発ができる技術者向けの製品です。
技術的なご質問やサポートは開発元のご提供するサポートフォーラムにてご投稿頂き全世界のユーザーから回答を得られます。
■参考資料
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