RFID-UARTリードライトモジュール(型番:RFID-MOD10)は搬送波周波数125kHzのHitag2規格に準拠したRFID通信モジュールです。
19mm×30mmの24ピンDIL形状のモジュール内にRFID通信でICタグと通信するための機能(アンテナを除く)がすべて詰め込まれています。
ICタグへのデータの書き込み、データの読み込み、モジュールの状態取得などすべてのコントロールは、簡単な非同期式シリアル通信(UART通信)で行うことができます。UART通信が可能なホスト機器(PICマイコンなど)と接続すればRFIDアプリケーションを簡単に作ることができます。ホスト機器との通信は、TX線、RX線、CTS線の3線式を採用しています。通信速度は9600bpsです。
UART-RS232C変換IC(ADM3202)や、UART-USB変換IC(FT232R)などを使えばパソコンとも接続できます。
当方では、RFID-MOD10をパソコンに接続するための パソコン接続ボード(型式:RM-E20) も販売しております。
RFID-MOD10に推奨アンテナ(700uH、直径50mm円形アンテナ、別売品あり)を接続すれば、ICタグと約10cmの距離まで通信が可能です。
通信可能な範囲内に制御可能なICタグが存在する場合、ピンのロジック状態をLレベルにして通知するピン(OPピン)も4系統ありますので、外部機器への通知も簡単です。またLEDを2つ取り付け可能なピンがあり、通信可能時と不可能時でLEDをそれぞれ点灯させることができます。インジケーターとして利用可能です。
ICタグは全8ページあり、各ページは32ビット(4バイト)構成になっています。
ユーザーが自由に値を書き込めるエリアは4ページ用意されており4バイト(8bit x 4)×4ページで合計16バイトのデータを書き込み保存することができます。書き込みも読み込みもシリアルコマンドを送信するだけと簡単です。書き込まれた値はICタグの不揮発性メモリーに記憶されます。
本モジュールを学生証として利用されている学校では、ユーザーエリアに学年、クラス番号、学籍番号を記憶させ出席確認やマラソン大会時の順位管理に利用しています。その他、社員証による勤怠管理アプリケーションや、診察券アプリケーションにも利用さるなど、幅広い分野で利用されています。
Hitag2規格は2方向のパスワードによって、ICタグとの通信制御を行っています。
1つは32ビット長のRWDパスワードで、モジュール側からICタグ側に認証情報を照会するパスワードです。
このパスワードが一致すると、続いてICタグ側からモジュール側に24ビット長のTAGパスワードが送信され照会されます。
いずれのパスワードも一致した場合のみ、モジュールはそのICタグとの通信(データの書き込みや読み込み)が可能となります。
パスワードのやりとりは暗号化されていないため、より強固な信頼性が求められる鍵アプリケーションなどには利用できませんが、簡易的な認証機能を使うことにより、制御可能なICタグを分類したり複数のモジュールで別のICタグを扱いたい場合などに役立てられます。
またモジュール側では通信ができない場合、ICタグが通信可能な近傍に存在しないで通信ができないのか、ICタグは近傍に存在するがパスワード不一致により通信ができないのかを識別することもできます。(Rコマンドを使います。)
パスワード値はRFID-MOD10側と、ICタグ側でそれぞれ記憶させておきます。工場出荷時には両方ともデフォルト値になっており、すべてのICタグと通信可能になっています。
※パスワード認証はあくまでもパスワードが不一致の場合にはタグへのデータの書き込み、読み込みができないアクセスコントロールの機能のみを提供します。パスワード認証が一致、不一致どちらでの場合であっても、前述のLED表示並びにOPピンは対応したタグが近傍に近づくと緑LED表示並びにOPピンはLレベルとなります。(バスワード認証に一致したLED表示切り替えはできません。)
本製品ではモジュール本体に最大60枚までのシリアル番号を登録できる機能があります。
Hitag2規格のタグでは、1枚毎にユニークなシリアル番号が割り振られています。このシリアル番号を本体に記録させることで、あらかじめ登録されたタグにアクセスできないようにする機能、「TAG認証」機能が搭載されています。
初期状態ではすべてのタグについてアクセスできますが、タグ認証機能を登録されていないタグは使えないので、より強固なセキュリティを実現できます。
なお、このタグ認証機能を使うと、リスト登録されていないタグが近傍にあっても緑LEDは点灯せず、赤LEDのままとなります。
※タグのシリアル番号は不揮発性メモリのページ0に4バイトで書き込まれており、ユーザーは変更できません。
本製品をパソコンと接続して使う場合に便利な専用ユーティリティソフトウエアを配布しております。
わかりやすいインターフェイスで直感的に操作が可能です。ICタグへのデータの書き込み、データの読み込みをはじめ、モジュール本体に記憶させるパスワードの変更なども行うことができます。
RFID-MOD10をパソコンと接続したい場合には、自作で回路を作るか、当方で販売しているパソコン接続ボード(型式:RM-E20)を使用すると便利です。アンテナの他電源回路も実装済みですので、すぐにパソコンと接続して使うことができます。
また本ユーティリティソフトウエアのソースコード(使用言語:VisualC# 2012)も公開していおりますので、お客様が自作アプリケーションを作る時の参考にして頂けます。
● Hitag2規格準拠のRFIDリーダライターモジュール
● 非同期式シリアル通信(3線式)で簡単に制御が可能、PICマイコンなどと接続してRFIDアプリを開発できます
● 推奨アンテナ使用で10cmの無線通信が可能、125kHz微弱電波使用で認証や免許不要
● ICタグとの通信可能を通知する4系統の外部出力ピン、2系統のLED接続用ピンを搭載
● 2方向のパスワード機能搭載、簡易的な認証機能により通信許可するICタグを分類できます
● タグ認証機能で最大60枚のタグまでを登録可能。未登録タグには反応しないようにできます
● ICタグのユーザーエリアは4バイト×4ページで合計16バイト用意、任意の値(8bit×16)を保存できます
● 本体は19mm×30mmの24ピンDILパッケージを採用、ブレッドボードやユニバーサル基板に簡単取り付け
● 5V単一電源で動作、アンテナ以外の通信処理機能は本モジュール内に詰め込まれています
● 日本語ユーティリティソフトウエアを配布、ソースコードも配布しています
● 日本語マニュアルで簡単理解 →マニュアルは こちら からご覧頂けます。
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